アーケード2DSTG

 コンシュマー(CS)の次はアーケード(AC)へ。
本来ならば逆の動きですが、ユーザーフレンドリーなのは当然CSなので。


 インベーダーから始まって早20年。
背景がスクロールしたり、パワーアップがついたり
ボスが登場したりするのは当然のこと。
地上空中判定の分離、横STGの登場、ボムの登場。
稼ぎの方法もただ敵を倒すだけでなく、
ギミック破壊による得点だったり、特殊状況で敵を倒すことだったり、
さまざまな方向に派生してきました。


 プレーヤーにとってアーケード(AC)と
家庭用の大きな違いは投資の方法。
すなわち、ACが1プレーのためのお金は安くとも、
プレーごとに課金されます。
家庭用の場合ははじめにACより大きな投資費用がかかるものの
何プレーしても電気代以外はかかりません。
たくさん練習したい場合は家庭用を買うほうがお得といえます。
どんなゲームか試してみたい場合には
ACでワンコイン入れるだけなのでお得です。
現在の家庭用体験版RPGはフリスビーみたいなもんです。


 しかし、プレー環境が大きく異なります。
一般的な家庭で家庭用を購入すると小さな画面、十字キー
そして何より移植度の違いに違和感を覚えるでしょう。
また、“完全移植”と呼ばれる作品の少ないこと少ないこと。
しかし、それもある種当然のことなのです。
まったく同じ物を作ろうにも作ることが難しいのです。
DC互換機のNAOMIならまだしも、その他のマザーでは
どうしてもプラットフォームとスペックに違いがあり、
完全に移植するということは難しいのです。
昔はこれが顕著でしたが、最近では家庭用プラットフォームのスペックが
アーケードを猛追しているので差は少なくなってきてはいますが。
詳しいことはあんまり知りませんが。
過去からの移植作品もエミュレーターを用いることが一般的ですし。
っていうか、その前に移植されてない作品も数多くあります。

 
 さて、少し脱線しましたが、家庭用移植はインカムという別の面からも
ある程度配慮されるべきでもあります。
アーケードゲームはSTGに限らず、ゲームメーカーがゲームセンターに
基板を販売し、それによって利益を得ています。
ゲームセンターがそれを一般客にワンコインで
筐体付きで貸し出しているというシステムです。
一般客は基本的にACでゲームをプレーしても直接的に
ゲームメーカーに利益が渡るということはありません。


 インカムは個々人という形で判断するとやはり小さいといえます。
しかし、間接的にはゲームセンターがインカムで次回作の購入を検討するため、
この作用の程度は軽視できません。
ゲームセンターの直接的な利益となるので、これに配慮した
ゲーム製作を行うのはゲームメーカーの使命といえるでしょう。
過去のSTGによく見られた永パ、エンドレス周
といったものが軒並み廃止されているのは当然のこととして、
メーカーが移植を行うこともAC版稼動から
一定期間を経てからするのが普通です。
完全移植もゲームメーカーとしては比較的避けたい可能性もあります。
ただし、家庭用移植作品をある程度プレーしてから
アーケードデビューするという逆方向も考えられることを忘れてはなりません。


 ここで、やや話が変化しますが。ACの特徴について。
ACの大きな特徴はプレーヤーとその他の人が存在する点です。
私がACSTGを始めたきっかけはただの暇つぶしでしたが、
本格的にSTG(ケツイ)に取り組むきっかけを作ったのは
初めてプレーした時に楽しい、と思わせたからですが、
潜在意識的に半年ほど前に友人がプレーを見せてくれた
というのも無視できないと思います。
ギャラリーの存在はACでのポイントでしょう。
コンシュマーでは人のプレーを見られる機会もあまりありません。


 確かにギャラ専は売上に貢献しません。
ただし、ギャラ専を排除できないのがまたAC。
ビデオゲームが純粋私的財でないことはおそらく確かですが、
ACはことさら周りがプレーを見やすいという観点から
公共財的性質を持っています。


 求めるべきはギャラ専がプレーヤーに転化すること。
見ていてプレーをしたら面白そう、と思わせることが重要です。
そこでワンコイン入れてみる人はシューターの素質あり。
ただし、STGの真の面白さがいわゆる稼ぎに集約されている点から
そこまで導けるか否かはそのゲーム性に依存しています。


 初心者は稼ぐな VS STGの醍醐味は稼ぎ


 この背反する事象は次回のテーマにでもしておきます。