家庭用2DSTG

 相変わらず続けておきます。
そろそろ細かいネタに触れていかないとネタがなくなりそうな予感がします。
一般論は苦しいですね…。


 アーケードは3分で終了。もうやらない。
家庭用ならコンテニューでエンデュング。もうやらない。
追求すべきは過程の楽しさであることはすでに論じました。


 家庭用STGにはコンテニューがある、PALがある。
スコアなんかどうでもいいや。
PALで2周ALL20億。これでいいじゃん。


 “無駄な努力”を完全に排除している人間は置いておきましょう。
以下はちょっとがんばってみようと思う人を対象にします。
PS2版怒首領蜂大往生を店頭で手にとって見て、
これをプレーしてみようかな、そう思った人間を。


 クリアラーに対して必要なのは先に進んでみたいと思わせるギミック。
エンディングもしかりですが、STGのポイントはこの先にはどんな敵が待っているのか?
それを知りたいがためにプレーしているといっても過言ではありません。
RPGで物語の続きを知りたいと思う。
それと同じようにSTGのもうひとつの過程の楽しさ。
敵を知る。当然自分の実力を上げながらこれを知っていきます。
RPGは経験値を稼いでレベルを上げて。
STGは経験を技術と情報に変えて。

 
 でも、難しい。
圧倒的な物量に対して、情報が足りません。
敵を知る。ステージを見る。
この知的欲求を満たすために必要なことはその他の情報です。
情報のための情報。この欠落っぷりの激しさは他ジャンルでは見えません。
ゲームをプレーしながらそのシステムをしっかり理解させてくれる。
ゲームのルールがわからないままプレーするゲームは楽しくありません。


 サッカーはボールを相手のゴールに入れる、これが目的。
目的を達成する上でも制約があります。
手で持っていけばいい。ハンド。
ゴールの裏からセンタリング。その前にラインアウト
相手ゴール前で待つ。オフサイド
反則。ペナルティーは相手ボールになったり、カードだったり。
その時点で負けにはなりません。


 RPGの目的はエンディング。
目指す上でのルールは、フラグ立て、ボスの撃破、アイテム。
「人の話をちゃんときこう」
「〜を倒してまいれ」
「〜をとってきてくれ」
使われながらもルールを覚えていきます。
ペナルティーは話が止まる。
LVそのまま、アイテムそのまま。
死んでも「そなたにもう一度機会を与えよう」。
そもそも全滅の確率も低いですし。


 STGはとってもシンプル。敵を倒せば、はい終わり。
シンプルゆえに突き詰められたルール。
でも、ルールのためのルールが多いです。
まったく語られません。
「切り返し?知りません」
「ちょん避け?弾にあたりそう」
「中型機はさっさと倒せ?逃げ回るので必死」
「自機より自機正面を見ろ?弾にあたりそうで怖い」
「前に出ろ?返り討ち」
ルールを守れないペナルティーは?
被弾。
3回で死にます。イエローカードよりも多いですね。
でも、そのルールを守りきるのは難しいです。
トッププレーヤーでもこれは無理。そこが人間性能。
被弾する確率を下げていくのが練習。


 何故、切り返しを語らないか、ちょん避けが有効であることを語らないか。
暗黙の了解だから。2ヶ月も毎日プレーしていれば自然と身に付く。
でも一回目じゃわかりません。
RPGは一回目が長い。一回目でちゃんとクリアまで導けます。
一回が短いのはSTGの特性です。こればかりはどうにも譲れません。


 では、どうするべきか。
コンテニューのタイムリリース、オプションのタイムリリース
到達した面だけ練習できるようにする。
さまざまな試みがなされてきました。努力を反映しています。
間違ってはいません。
むしろなぜ最近のCAVE移植に欠けているのかわかりません。
戻り復活なしの縦STGをコンテニュー無限にすればだれでも1周できます。
2周目の特典は?緋蜂が出てくる、スタッフロール。
緋蜂はシミュレーションでいいや。スタッフロールは別にいいや。
っていうか、攻略DVDで解決します。


 攻略DVDそれ自体は非常に重要です。
綿密な攻略パターン、それ自体の技術。
ゲーム攻略に必要な要素、それがすべて詰まっています。
シューターにとっては最高の模範解答。
一般人にとっては芸術品。それもモダンアートレベルに理解できない芸術品。
いきなり突きつけられた最適解を見せ付けられて、
これを自分でもできるようになりたい、そう思う人間は少ないはずです。
「これ無理だ、すごいね、さよなら」


 ポイントはタイミングです。
プレーヤーの技術に相応した段階で見るべきなんです。
1周クリアして、一定得点を稼いでから。
でも、これではせっかくがんばって作り上げた攻略DVDを見てくれる人間が少ない。
クリエイターのジレンマもわかります。
万人に見てほしい映像、一方で万人が見てはいけない映像。
閲覧条件は技術、もしくはタイムリリース
プレーヤーが払うコストは技術的側面だけでなく時間ということも
考えるべきでありましょう。


 家庭用プレーヤーとアーケードプレーヤー。両者の差は技術。
家庭用プレーヤーに技術を向上させるために必要なこと。
練習以外は情報です。ルールがわかりません。


 ルール説明。紙切れ一枚。
ハイパーって何?オーラ撃ちって何?
答えは全て攻略DVDに。拳で語ると。
でも一般人は痛いだけ。拳の意味なんて考える余裕がありません。
切り返し、ちょん避け。ここに気づくことが楽しい。
確かに大きな進歩ですが、教えてあげてもいいでしょう。
気づいて欲しい。それはクリエイターの押し付けでしょう。
もうちょっと進んでみたい。
そう思わせるためにははじめの段階から
もっと進めるようにならなければならないのです。
初見到達ポイントを伸ばすこと。アーケードにも言えることです。
そしてそこから先に進みやすくするためのポイント。
さらにルール。切り返し、ちょん避け、中型機速攻破壊。
これを教えるだけでもより進めます。
加えて、目の使い方、前に出ること、
切り返せないときにはボム、点数を稼ぐと残機が増える。
これを教えるとより上達を目指していくことでしょう。
肌に合わない人もいる、でも肌に合う人もいる。
見極めるのはルールを教えてからでも遅くありません。


 なんかもう無理っぽいな。次に進んでみたい。
この二つが錯誤しているのがゲームですが、
なんかもう無理っぽいが先行している気がします。
それゆえに手を出しづらい初心者。
手を出した初心者が次に進めた達成感は非常に大きいです。
でも、そこまでたどり着けない。
必要なのはルール説明、および努力の評価じゃありませんかね。