ゲーマーと環境。そして2DSTGメーカー。

 今回から短期連載で2DSTGを考察してみます。
飽きる+ほかの話題が気になったら終了です。
ねぇ、スターオーシャン論とか、プロギア日記とか。
それが私クオリティ。


 ゲーム市場は年々縮小しています。
ドラクエの販売数だけを見ても減少しているのがわかりますが、
それ以上に深刻な減少をたどっているのは中小ヒットをする佳作の数の激減です。
ファミコン時代は基本的に出せば100万本、現在は出しても2万本です。
ゲーム市場が縮小傾向にある理由としては音楽業界の縮小傾向などとともに
レジャーの多様化というよくわからない理由が挙げられます。
それほどレジャーは多様化しているのでしょうか。


 私が思いつく限りでレジャーは10年前と変化はありません。
20年前ともさほど変化ない。
登場してきたものは何か、いわゆる情報媒体の変化でしょう。
携帯の代金がテレビゲームプレーヤーの代表格である
中高生の筆頭株主になっていることはあまり取り沙汰されません。
これはもはやレジャーではなくて生活必需財であるから。
それがひとつの理由かもしれません。
また、PCやインターネットの料金といったものもこれらに含めてもよいでしょう。
可処分所得が減少している分、娯楽といった奢侈財を消費することは難しいのです。


 しかし、携帯だけが問題ではありません。
ゲーム離れが起こる要因としてテレビゲームそのもののあり方、
テレビゲームのプレー方法が変化していることを挙げます。
これは本論にはあまり関係ないのでそのうち書くとでもしましょう。


 話を戻して、娯楽の中にゲームは含まれます。
いったんゲーム離れを起こした層は再度テレビゲーム層に回帰するでしょうか。
おそらく起こりません。テレビゲームを得る前に、
テレビゲームに関する情報を知るためのコストがかかます
ゲーム雑誌を買うお金、インターネット接続料、そしてそれらの行動をする時間。
一度興味がなくなったジャンルにもう一度興味を持つことは難しいのです。
さらにインターネットがどれだけ普及しようとも
テレビがメディアを牽引しているのもまた事実。
テレビでゲームのコマーシャルが流れることはあまりありません。
流れてもDQFF。ごくまれに大手メーカー。微塵も見えないSTG。
「STG?ああ、グラディウスね」。これが一般の認識です。
怒首領蜂?変な名前」
ケツイ?今年の抱負?」
斑鳩?奈良の地名だよ」
これが現実です。


 そんな中の2DSTG。
2DSTGの市場規模は非常に小さいです。怒首領蜂大往生が発売初週で2万本。
一方でDQⅧは260万本。130倍です。
全校生徒650人の小学校で全員がDQを所持しているとして、大往生は5人。
国民全体で考えても6万人に一人。東京都に100人。
そんな人数。そんな市場。広告なんか出せません。
トライアングルサービスがピンチです。
すいません、その他STGメーカーもピンチです。


 また、大手ゲームメーカーはこぞって2DSTGを出さなくなりました。
コナミグラディウスタイトーダライアスナムコギャラクシアン
一度は誰もが触れたことのあるゲーム。でも、もう出しません。
理由は簡単、売れないから。
グラディウスは細々と続いていますが、細々です。
企業は限りある資金を投入してより多い資金を回収するのが目的です。
大企業であればなおのこと。
莫大な開発費、多大な宣伝費をかけて爆発的ヒットを目指すことが求められます。
2DSTGにまわすお金を小島監督に流した方が資金の回収率が上がります。
機会費用が大きい投資を行うことは企業にとって不合理です。
大企業ともなるとその他のもので赤字が出てきます。
それを補填するために看板をしっかり磨く必要があります。
リスクが低くてリターンの大きな看板。
看板を磨くためにはインテリアにヴィンテージものの
アンティークなんて使ってられません。


 そこに対して柔軟な中小のゲームメーカー。
大きなしがらみに捕らわれず、自分たちの好きなように作品を作れます。
2DSTGは売れない。でも、楽しんでくれる人がわずかでもいる。
そして何より2DSTGを作り出すことに楽しみを見出している。
ハイリスク、ローリターン。そんなことは関係ない。
金銭以外で満足を得ているから。作ることがインセンティブ報酬。
シューティング、ラブ。


 と、作り手でもないのに勝手に言ってみました。
採算度外視はできない。でも、作りたい。
そのタイトロープを命綱なしで綱渡りしているのが2DSTGメーカー。
滑って転んで大分県、ではすまされません。
東亜プラン彩京の悲劇が記憶にある人が多いでしょう。
多くないです。普通の人はそんな企業名すら知りません。
それが中小STGメーカークオリティです。


 一般層が2DSTGに対して興味を持つために必要なことはなんでしょうか。
それは一般に名の通った企業が2DSTGを大々的にアピールしていくことです。
ここで大きな問題があります。
まずは前述の2DSTGの機会費用が大きすぎること。
そしてもうひとつは2DSTGの特性にあります。
2DSTGの特性に関してはまた次回、ということで。


 いつまで続くか見ものですね。
そういえば明日は外出の予定が…。