Sony

 まぁ、今回はいったいどういう方向性に行くか、について。


 いわゆる「ソニーショック」が起こってから
まだそれほど経っていない現在。
個人用音楽再生は「ipod」に押され、MDプレーヤーは
言わずもがな、MP3プレーヤーに関してもまったく太刀打ちできません。
ソニーのコンテンツの方との兼ね合いが足を引っ張っている可能性は
否めませんが、どちらにしろデファクトスタンダードが強く働く
この業界において、出遅れた感はあり、巻き返そうにも巻き返せないでしょう。


 一方、液晶TVはアクオスが飛ぶ取り落とす勢いで勢力を拡大し、
HDDレコーダーはここいわく、5位以下(楽天でPSXが1位ってのは…)。
PCはもはや終了です。
風当たりきついですね。


 さて、その他コンテンツ関連のビジネスや金融関連は
さほどつらくはないと思いますが、
(コンテンツはワーナーがあがってますね、数字知りませんが、感覚的に)。
いわゆる、ソニーの中核ビジネスを担っているわけではないと思いますので。


 で、問題のPS3はどうなるか、です。
ソニーはここにある程度力点をおいているような気がします。
ただ、ゲーム機はキラーソフトが登場してなんぼ、なので、その予測から。


 まずはドラクエ・FFの登場是非が問われてくるでしょう。
とどのつまりはスクウェア・エニックスの動向しだい、でしょうかね。
ここで、95,6年のハード競争を見ていきますと、
サターン、64、PSの三つのハードが
(いや、3DOとかPC−FXとかありましたが)競争をしていました。
PS1が若干有利の状況から、FFの参入が決定してからPSが
売り切れ続出となり、DQの参入でPSの勝ちは確定しました。
当然、「バイオハザード」や「DDR」、「リッジ」、「GT」といった
販売数が多かったゲームもありますが、いわゆる2強がゲーム業界を
牽引しているといっても過言ではないでしょう。
ドラクエはその中でも格別であって、FFⅨとDQ7の販売数は
前者が200万本超、後者では400万本超です。


 ゲームが売れなくなっている、といわれる現在
(100万本以上売り上げたソフトは去年は5本だけ)
でさえ、DQⅧは300万本以上売り上げていますし、
一昔前のFFXは200万本以上売り上げています。


 さて、キラータイトルの代名詞、DQ、FFの扱いが
家庭用ゲームのハード業界を左右していることはお分かりいただけると思います。
なんだかんだで私もPS1の購入理由はFFⅦでしたし。
PS1への移行背景にはおそらくいくつか要因があると思います
任天堂のライセンスフィーに納得いかなかった、
PSの方が開発環境として優れていた、等)。
しかし、ポイントは今回も同様に動くかどうか、です。


 PS1は純粋なゲーム機として売り出していたので、
ゲームやりたい人=購買者の図式が成り立っていたはずです。
一方で、PS2は当時高価だったDVD再生機器にゲーム機がついている、
という扱いの受け方が大きかったような気がします。
様々な映画がDVDで発売され、また、DVDの方がVHSよりも
操作しやすい、という状況を考えるとPS2をDVD≒再生機器とした
購買者も多かったと思います。
つまりはPS2ユーザー≠PS2購買者ということになります。
PS2ユーザーUDVDユーザー=PS2購買者です。
実際、DQもFFもPS2ではPS最盛期ほどの売上を達成できていません。
PS2というメディアは売れているにもかかわらず、
テレビゲームはそれほど売れていない現状を表しているのでしょう。


 で、今回はどうなるのか、です。
今回もおそらくPS3は同じような構図を狙っていると思います。
さらにB−RayDとHD−DVDの優劣決定まで一気に決めてくる、
という大役も担っているでしょう。
PS3はこれからのSONYの状況を決定付けるといっても過言ではありません。


 で、それがどうなるか、がポイントですが、
結論を言うと、厳しいかな、と見ています。
というのも、いわゆるBRDもHDDVDも必要性がいわゆる薄い、からです。
現在の主力メディアであるDVDの容量は数GBであり、
映画一本が丸々収まります。BRDでは27Gほど入るらしいです。
で、一体誰がそれほどの容量を誇る作品を見たがるのか…、です。
当然現在のデジタルをより鮮明に放送することができると思いますが、
そこまでの鮮明さを一般の人が求めるかどうかは疑問です。
たとえばMP3プレーヤーはいわゆるMP3形式であって、
CDやレコードといった媒体と比較して音質は劣ります。
それでも大きな市民権を得ているのは一般人はそれほど明確な質には
こだわっていないからでしょう。私もそんな感じですし。


 当然、質を増やさないとなると量をふやす以外にはありませんが、
まさか映像をさらに延長して蛇足に蛇足を足すなんてことは
コンテンツ会社の方が拒否するでしょう(して欲しいです)。
こうなってくると当然質にこだわってBRDで販売することも
考えられますが、購買者層のことも考えて普通のDVDでの製作も
まさか怠るとは考えられません。こうなってくると消費者はわざわざ
新しい再生機器を購入するコストを負担しませんから、DVDの覇権は
しばらく続くと思います。


 ここに、おそらくお金でも積んだりしてBRDのみでの販売を強要するなど、
HD−DVDだけしかとるな、という圧力はかかると思いますが、
コンテンツ会社がより強力な力を持つアメリカではどうなることかわかりません。
日本ではレコード会社が強力な力を持っていますが、CCCDの生産が
消費者側からあまり快く思われていない現在、ある程度需要者側の立場も
省みつつある傾向があるように思われます(一部強気あり)。


 こうなってくるとゲームによるメディア媒体の牽引が重要になりますが、
そもそもゲーム不況です。さらにPS3ソフトの開発機材は40億とか…。
一部ソフトメーカーだけが生き残っていける状況ではそもそも市場自体が
活性化しません。PS3本体の値段も明らかにされていませんが、
おそらく6、7万円前後になると思われる状況での購買者数予測は…。
ソニーはPS3がドラクエ・FFによって売れる、という予測を暗に
出しているとは思いますが、これらの売上もPS時代から落ちていることも
考慮すべきでしょう。ゲームの売上が落ちていることはそのうち述べるとして、
いずれにしてもPS3がバカ売れする可能性はPS2やPS1よりも低い
と考えられます。


 また、PS3の問題点はほかにも可能性としてあります。
例えば初期不良の多さ(PSPのフライングディスク等)、
ソニータイマー(私のMDは1年と3日で糸冬)、スパイウェア疑惑、
そして偉そうな営業スタイル(笑)等。
また、PS3のゲーム開発費はほぼ一方的にメーカーに押し付け、
新メディア媒体の購入費も消費者から一方的に徴収する形態を取っているので、
PS3自体が売れれば多面性でカバーできるし、まぁ、いいかな、的な発想が
ちょっとどうかと思います。拡張していることが多ければ多いほど、
ユーザーは困惑したり、逆に抜け道が発生したりなどの問題発生もありますし。
PSPはハードが売れていますが、ソフトは売れていません。
用途はおそらく屋外エミュレーターとしてでしょうが、これに気づきつつも
対応(対応はできそうにありませんが)を怠っているようです。
別に新しいゲームじゃなくてもいい、という可能性は次の議題にとっておきましょう。


 まぁ、実際には市場の動向を見ない限りわかりませんが、
こけてくれないかな、と。



 結論:PS3クオリティどうこうにこだわらずに、ケツイ移植してくれ。