wizardry論

 まぁ、思っていたほどはつまらわないわけではない、という印象です。
いわゆるこのゲームで守るべき「ルール」が難解であることが、
現代ユーザーからは避けられる要因になるのではないのかと思っています。


 さて、ゲームの進行順に意見を述べていきます。


 まずは「訓練場」。


 訓練場でキャラクターメイキングを行います。
痛いのはノーヒントであること。
戦士だの僧侶だの職につく条件がわかりづらいです。
最近のシリーズではおそらく取説で述べられていると思いますが、
慣れるまでは結構つらいです。
ビショップ必須とか、わかりづらいです。
ただ、キャラクターの名前を全員決めたりなど自分で
様々想像することが可能な点は大きいです。
私は個人的に好きなVPのキャラクターの名前からとっています。


 初期パーティーでの必須キャラはファイター、シーフ、プリースト、
メイジあたりでしょう。個人的にはそれにファイターとビショップをつけます。
ファイターがいないとそもそも敵を倒すのが非常に大変で、
シーフがいないと宝箱からアイテムをとるのがほぼ不可能で、
プリーストがいないと宿屋でどんどん加齢されていくことが不可避ですし、
メイジは中、終盤の重要な複数攻撃キャラクター、
そして何よりメイラー(Malor)というクリアのために習得必須の呪文を
覚えさせるために成長させなければなりません。
ビショップは入手したアイテムの鑑定役になるので結局使えます。
というか、いないとアイテム鑑定ができないので…。
侍やロード、忍者といったキャラクターは個人的にあまり使いません。
転職させるのが遅くなりますし、そもそもその後の成長も遅いので…。
やりこみプレーの前提でしょうか。


 次に「ギルガメッシュの酒場」。


 善悪混合のパーティーをここでは組めません、
これがわかるかわからないか、で明暗が分かれます。
実際には迷宮で組めばいいのであまり問題はありませんが、
通常のプレーでは気づきづらいです。


 続いて「ボルタックの商店」。


 色々買い物をする必要が実際にはありますが、
武器の強さがわかりづらい点が残念です。
攻略サイトや攻略本に頼るか、自前で探し出すかに集約されます。
ことさら問題になるのは日本語版の武器名でして
「最強の短剣」は「よい短剣」よりも攻撃力が高いのですが、
値段は後者のほうが高いという意味不明な設定があるために
非常にわかりづらいです。
迷宮から持ってきた不確定アイテムを鑑定してもらうこともできますが、
個人的にあまりお勧めはしません。無駄金ですから。


 そして迷宮へ。


 まず目に付くのが3Dマップ。非常にとっつきづらいです。
自分でマッピングをするか、最近のシリーズ(私はこっちのみプレー)では
オートマッピングがされているので、ディマピックが使いやすくなっています。
問題はディマピックが最高9回までしか使えないことです。
最終的に最短ルートを覚えることは簡単なので結局使わなくなりますから、
そこはいいとしても、迷ったとき=死、がちらつくのが苦しいです。


 そもそもその前提にあるのが戦闘バランスです。
これがいわゆるきつめです。
かじられた→死、とかならまだ許されますが、
相手が先制→マハリト×3→全滅コンボがいつになっても恐ろしいのは
泣けてきます。首はねなんかまだ許せるレベルになります。
それほどまで戦闘に神経を注がねばならないのは
死→灰→ロストが恐ろしいから、という理由に集約されます。
ロストしてしまうともうそのキャラクターを使用することができませんから。
といっても、一部シリーズでは復帰できますが…。


 後問題になるのが序盤はレベルを上げにくいだの、
金が貯まらないだのありますが、このあたりは個人の気合でなんとかなります。
苦しい戦闘を何度も繰り返してのゲームなのでここが嫌いな人間は
おそらくWizardryというゲームそのものに適正はないと思います。
ただ、苦しい分レベルアップの見返りが大きいことが多いので…。


 忘れていた、「宿屋」と「カント寺院」。


 宿屋では呪文の力(HPは回復しません)の回復と
レベルアップのチェックを行います。そして盲点になるのが、
宿屋で「馬小屋」以外に宿泊すると加齢されるということです。
そこで「馬小屋」に宿泊し、迷宮に入ってからディオス等の回復呪文で
HPを回復させるという戦法を取ります。年をとると
レベルアップ時の成長率が落ちることと、老化しすぎた場合に
老衰する可能性があるからです。年齢は低めに抑えておいたほうが無難です。


 寺院では死亡や灰の状態から復帰させる以外にも麻痺や毒といった
状態異常を治療することもできます。
死亡や灰という状況から回復させる場合、失敗する可能性があります。
これが恐ろしいところです。灰→*しっぱい*→ロストになりますから。
なるべくならお世話にはなりたくありませんが、
プリーストの呪文よりは確率が高く、後半では死ぬことが多いので
頼る事が多いでしょう。


 ウィザードリィではこのような一連の行動を繰り返して迷宮を探索します。
訓練場→酒場→商店→迷宮→寺院→宿屋→商店→迷宮→…。
というようになります。
想像力さえ働かせればこの行動も大きな意味を持ちますし、
ただでさえ苦しい戦闘にもある程度は愛着が持てるでしょう。


 以下、ウィザードリィにおける魅力と欠点を羅列します。


魅力
・戦闘バランスがきつめ(A連ゲーよりいいでしょう)。
・迷宮の探索が楽しい(オートマップでもそれを埋めていく楽しさはあります)。
・レアアイテム探索(現代のRPGでもよくあるものの原点です)。
・以上のスリルやリターンを含めたドキドキ感。ぶき?とか入手すると嬉しいものです。


 戦闘をゲームの中心に置いていることが評価できます。
なんだかよくわからない理由で戦闘するゲームが多いことですし。


欠点
・システムが難解
・意味不明な呪文が多数(ミルワ、ポーフィック等)
・一方で覚えればもう後はいい、的な呪文がある(ティルトウェイト)
・覚えなければクリア出来ない呪文がある(メイラー)
・敵の先制ティルトウェイト×3=全滅
・やはり予備知識を必要とする。
・*レベルが3も下がった*
・*いしのなかにいる*


 ルールがわかりづらいところが問題です。
さらにある程度理不尽なことが多いこと。
当然リセットなしでもクリアはできますが、
石の中にいるとかは…。
あまりにレベル(呪文)依存しているところも
あまり好きではありません。
頭で補えるような攻略のほうがやはり好きです。


 総評。


 苦しさゆえに、嬉しさもあります。
非ヌルゲーマーはプレーを勧めますが、
逆にライトユーザーに対しては苦しいです。
ただ、レアアイテム探索が好きな人、
ゲームからの挑戦を受けたい人、不条理に対して戦いたい方等は
一度プレーしてみることを勧めます。
ただし、頭を使った戦いというよりも、ちびちびとレベル上げをして
攻略していくタイプのゲームなので、それが好きか嫌いです。
頭を使いたい方は「風来のシレン」等を…。


 #1:個人的には最高のものですかね。
 #2:まぁまぁです。
 #3:二つのパーティーを駆使するのが…。まぁまぁです。
 #4:未プレー
 #5:バックグラウンドは面白いものの、
 高圧電線、泉、ララ・ムームー等アンバランス。
 #6以降:未プレー。